Rance VI -ゼス崩壊-

いつもの様にお金を稼ぐために依頼を受けたランスとシィル。その内容は、奴隷である使用人が盗んだ金の燭台を取り戻すというものだった。燭台を取り戻し、依頼主に届けたまでは良かったが、依頼主であるラドン長官のあまりの傲慢で魔法使いびいきな上に、ランスを奴隷呼ばわりまでした為に、腹をたてたランスは、斬り殺そうとした。 しかし斬りかかる直前、ランスはラドンによってスリープで眠らされ、次に目を覚ました時、ランスが居たのは「奴隷観察場」と呼ばれる場所だった。奴隷観察場内で放たれたモンスターを一掃していたランスは、そこでレジスタンス「アイスフレーム」に所属し、奴隷観察上に侵入していたアベルトにスカウトされる事になった。

お供となったロッキーを連れ、奴隷観察場を脱出したランスはその後、アベルトの要求通りアイスフレームに入隊するが、配属された実戦部隊であるホワイト隊の隊長・ムカーダーは非常に短気で傲慢な性格をしており、ランスと波長が合うはずも無く、すぐ諍いになってしまった。パンチをあっさりとランスにかわされたムカーダーは、逆上して遂に剣まで振りかざし本気でランスを殺そうとまでしたが、明確な殺意を見せるムカーダーにランスは容赦無く反撃し、ムカーダーはあっけなく死亡。これは明らかにムカーダーに非があったのだが、それを見ていたホワイト隊のメンバー達も逆上して、ランスに切りかかるも、次々とランスによって返り討ちとなり、結果的にホワイト隊はランスが入ってから5分も経たずに、内乱で全滅という結果になった。

ランスがホワイト隊を全滅させてしまった事態は当然問題視され、ランスは事の経緯を説明したが、以前よりランスにきわめて個人的な恨みのあるサーナキアは、すぐにランスを処刑しろと、私怨の入り混じった横暴な提案まで出す。しかし、アベルトの弁護や、元からムカーダーが問題のある人間であった事等から、処分に関しては保留となり、一応の実力者である事を認めたダニエルの提案で、ランスは新設された実戦部隊「グリーン隊」の隊長としてレジスタンス活動を開始する事になった。

しかし、足を患い、気落ちしているウルザの姿勢が原因で、アイスフレームの活動内容はレジスタンスというにはあまりに保守的でまどろっこしいものとなっており、遂に痺れを切らしたランスはウルザを犯し、怪しまれない範疇でウルザを通して裏でレジスタンスを操作するようになる。以降はランスによって半ば無茶な作戦も展開されるが、少なくとも何も行動に移そうとしないウルザよりはマシな状態にあり、またその最中で、付き合いのある仲間達とも再会したランスは、彼らもアイスフレームのメンバーとして、次々と引き入れていく。しかし、それでもウルザは相変わらず何も行動に移さない有様で、それに不満を覚えたランスは、せめてリハビリだけでもさせようとしたが、やはり思う様にはいかず、ダニエルに止められてしまった。

任務の途中、アイスフレームとは対極の位置にある過激派レジスタンスである「ペンタゴン」と何度かかち合うことになる。ペンタゴンに潜入していた魔人の使徒・オーロラの暗躍により、ランスはペンタゴンと同盟を結び、ゼス王国を混乱の渦に巻き込むマナバッテリーの破壊作戦である「祖国の解放作戦」を実行に移そうとするも、ランスはこの作戦が失敗する可能性が高いと予感していた。その予感は見事に的中し、ペンタゴンは軍としてのろくな訓練の受けていない二級市民達を戦力として加えていた結果、足並みが揃わず、結果的に二級市民達はただの暴徒と化して、混乱の巻き起こった王都にて、目的とは異なる略奪や殺戮に走り始めてしまう。そして更に、マナバッテリーを破壊された事で、魔法要塞線であるマジノラインは活動を停止し、迎撃される恐れのなくなった魔軍は、魔人率いる魔物の大軍が国境を超えゼス内部に侵略を開始する事になった。

ゼス王ガンジーはゼス国民を引き連れ国境付近にまで脱出する計画を実行。この緊急事態により、国内で反目し合っていた一級市民と二級市民が魔軍という共通の敵に対し手を取り合うという結果を生む。ダニエルを失ったウルザは再起を決意し、アイスフレームに参加していた仲間達も、次々と義勇軍として参加する事を決意。いよいよ盛り上がる展開の中であったが、ランスは義勇軍への参加を拒否する。もともとランスは帰宅途中の身でゼス国の住民ではなく、更に今までレジスタンスの醜態を見せられていた為、これ以上の深入りは危険だと判断したためである。ある者はランスに失望し、ある者は孤立するランスを心配していたが、それでもランスは自分の意思を変えようとはしなかった。

帰路の途中、首都ラグナロックアークに取り残されたリズナ達を助ける為に、無茶を承知で向かおうとしていたガンジーを目撃したランスは、自らもリズナを救うべく、ガンジーと共にラグナロックアークへと向かう。しかし、運の悪い事に魔人カミーラと遭遇してしまったランスは、カミーラと戦う事になってしまうが、無敵結界を持つ魔人にかなうはずがなく、ランスは捕虜になる。が、持ち前のエロパワーで何とか危機を回避し続け、仲間の協力によりランスは脱出に成功。ガンジーやウルザにも実力を見込まれていたランスは、カミーラに借りを返すべく重い腰を上げてゼスに協力する事を決意するのだった。

魔人の中でも最強格であるカミーラを倒す為には、魔剣カオスが必要と痛感したランスは、それを廃棄しようとしていたセル・カーチゴルフを追って廃棄迷宮に向かう。しかし、融通の利かないセルは、断固として意志を曲げようとせず、ランスは何とか言葉巧みにセルを納得させようとしたが、結局は棄てられてしまう。何とか管理員から、棄てられた物を回収する為の地下通路への道を聞き出したランス達は、そこへ向かっていくが、その先には悪魔達に陵辱されるフェリスの姿があった。人間との間に子供を産んだフェリスは、その罪を問われ、悪魔の中でも最下級近くにまで落とされてしまっていたのだ。それを見たランスはフェリスを救うべく悪魔達を倒したが、フェリスは駆けつけたダークランスに担がれて、そのまま姿を消してしまうのだった。再び先を急ぐランス達は、ダミ声の歌を聞いて、それがカオスのものであると確信。ようやくランスは、カオスを手にする事に成功するのだった。

一方、ゼスの同盟軍は国境付近に脱出する事は成功したが、ゼスの混乱を聞きつけたリーザス女王リアはこの隙にゼス侵略を実行。ゼスはリーザスとの全面衝突……になる寸前であったが、リア女王の想い人であるランスの制止により、この緊急事態は回避される事になり、ゼスの国民達は危機から救われた。魔軍を倒すための計画を練るゼス。ランスがレジスタンスをしていた際に偶然見つけたマナバッテリーを復活させれば、エネルギー不足により機能停止しているマジノラインを復活できる事が判明。ゼスは魔軍を倒すため、マナバッテリー復旧計画を提案、実行する。

ランス率いるグリーン隊は、マジノラインへの道中、魔人ラ・サイゼルと魔人ジークに遭遇。しかし、魔人ラ・サイゼルは撃退され、魔人ジークに至っては倒す事に成功し、マジノラインに到着したランス達は使徒アベルトや魔人カミーラに妨害されるも、これらを撃退し、マジノラインを復活させ、これによりゼス国内の魔軍をマジノラインの奥へ掃討せしめる。

かくして、ゼスで起こった大事変は無事解決し、大きな功績を出したランスは、ゼスの王位継承権を与えられる式と同時に、マジックとの結婚式が行われる…はずだったが、ランスはあっさりと式を放棄。シィルを連れ、次なる美姫を求め、JAPANへと渡るのだった。