地獄
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解説 
二級神アマテラスが管理する死後の世界。ルドラサウム由来である大陸の生き物たちの魂は死後にここに送られ、鬼王を頂点とした鬼たちによって生前についた汚れを浄化されてルドラサウムへと還される。
白い魂で構成されるルドラサウムから単一の生命として切り離された魂群は同様に白い色をしている(汚染率0%)。憎しみや悪意、罪悪感などの負の感情を抱くとこれが徐々に黒く変色していき、これを汚染と呼んでいる。この汚染成分は成長した魂を純粋なエネルギーとして受け取るルドラサウムにとって取り込むに好ましくない老廃物(不純物)であるため、還元する前にそれを取り除く必要がある。
その濾過フィルター的な役割を持つのが地獄であり、文面のみだと刑罰の場というよりは清掃工場のような印象を受ける。
始まりとなる白い魂の対義語として汚染され尽くした黒い魂があり、こちらは悪魔の王であるラサウムの体組織と同一視される。
ルドラサウムに還元する魂は切り離した直後と同じ0%の状態でなければならないため、天使によって回収された魂はここに配送されて入念な漂白洗浄が行われる*1。ランス世界で地獄の責め苦という言い方は特に汚染率の高い魂に対する洗浄工程のイメージを指している。
このような汚染された魂(汚染魂)に触れ続ける作業は地上の生命同様に魂を持つ神や天使も汚染の影響を受けるリスクがあるため、プランナーがその危険作業に従事するため創ったブルーカラー種族の鬼達が日々魂の除染作業に明け暮れている*2。
もっとも、鬼も汚染に耐性があるわけでは無く、作業中に自身も汚染されてしまった汚染鬼(凶鬼)が発生するケースも出ており*3、その場合は天使が赴いて直接処分している。
ハニホンによれば人間が生涯を終えた際の汚染率は平均して30~50%になるとされており、基本的に灰色の状態。受ける苦痛量に個人差はあれど一度地獄に入って0%化処置を受ける事は不可避となっている。
生命の地獄行きは人体で例えれば透析や免疫機構のような創造神の健康維持に必須のプロセスであることから例外を作る事はあり得ないため罪状による地獄行きを決める裁きなどの無駄な手順を踏んでいるのかは怪しく、闘神都市シリーズの地獄とは異なるのではないかと感じられるところがある。
なお、綺麗な魂は悪魔には眩くて触れることができないが汚染率が50%を超えた魂は悪魔が触れて回収可能となる。地獄での処理はこれの阻止も兼ねている。
構造的にはカトリックでいう天国に行く前に魂を清める場所である煉獄(※使徒ではない)こそがランス世界の地獄である。ただし先にあるのは天国ではなく転生なので色々ちゃんぽんされている。
人が善行を積んで逝ける楽園的イメージの天国*4などというものは存在せず、死ねば等しく地獄で再処理工程というのは一種の工業的サイクルを感じさせる。
記憶は汚染と関連性が高いためここでの処理、あるいはその前段階である成仏の際に初期化されている可能性があるが、転生後も一部記憶が残っている北条すずの事例があるためその部分に関しては完璧とは言い難い。
なお、通常は死後、自然に成仏して*5地獄に運ばれる魂となるが、何らかの要因で自然成仏できなくなった生物とも魂とも言えない中途半端な存在が幽霊である。ランスシリーズでの悪霊とは特に魂の汚染率の高い幽霊を指している。
完全汚染魂(汚染率100~500%)は配送役の天使が存在を認識できず、凶鬼が発生するようにそれ自体がウィルス源や放射線源のように汚染を広げる危険物*6であるため一級神女神ALICE配下の地上組織であるAL教に管理が委任され、専用の防護服を着こんだ人間職員が回収する。そうして回収された汚染魂は地獄での処理はできないが悪魔が回収してラサウムの力が増えてしまうのを考慮して地下深くに封印して厳重に管理される。なお、TADA氏はこの工程を使用済み核燃料の最終処分場に例えている。神異変後はこの繋がりが恐らく切れているため、どのような措置を取っているかは不明である。
法王ズの考察ではあるがこの汚染魂が一定量を超えてしまった場合は二級神ラ・バスワルドが起動し、汚染魂を空間ごと消滅させることで解決させる手法を取っている。魂の絶対数が減る事に変わりは無いので抜本的な解決には程遠いが。
獄卒として主に働いているのは鬼だが、事務方の職場などでは天使の姿も見られる。死後の世界ではあるが、NC期以降は地上へと通じる「地獄穴」が様々な要因で発生しており、素行の悪い鬼はこれを使って地上へ脱走している。鬼の脱走は主にJAPANの死国にある巨大な地獄穴が利用されるが、それより小規模な穴もJAPAN各地に点在しており、地上で活動する強力な鬼の一体であったミナモトはそれらを使って手下の鬼を集めていた。
地獄穴の存在はJAPANのみ明言されているため、鬼出身のレキシントン、ジュノー、バボラも同様にいずれかの地獄穴を使ってJAPAN経由で大陸に渡ったのではないかと考えられる*7。
廃棄迷宮の絶望の道も地獄に繋がっているとされるが、こちらはランス6の地名表記だと「地獄?」と疑問形。地獄?の案内人はクシイパン様という蛍光落書きっぽい何か。フェリスが悪魔達の制裁を受けていた場所であったが、概要の通り地獄は神の膝元かつ重要な役割を持つ領域であることから敵対する悪魔がそんな簡単に侵入できてしまうとは考えられず、本当の地獄かどうかは疑問がある*8。
ただ、悪魔が開発した陰陽術には鬼を操ったり地獄穴の開閉などの地獄を利用していると見られる術式が存在するため、少なからずとも悪魔は地獄への干渉技術を持っていると考えられる。*9
闘神都市2では終盤戦の舞台となり、手前には三途の川、賽の河原などの定番の場所もある。また普通の罪だけでなく、割とでっち上げに近い理不尽な理由で地獄に送られる死者も多かったり、罪状に見合っているか疑問な陰惨な拷問を延々と受けさせらる受刑者などの実情が見て取れる。
コメント 
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*1 例えば大釜に溜めた純白の塗料に色水が一滴混ざるだけでもそれはもう純白と呼べなくなる。実際に塗料や顔料の製造でも同様の注意が払われる。
*2 場を整えたのがプランナーで、その後の管理をアマテラスに一任したと見られる
*3 発生の仕方はドラゴンボールのジャネンバに似ているところがある
*4 天界で暮らす人間上がりのレベル神がある意味そうだが、ミカンの前歴からして適性でしか見られておらず、社畜なので安寧とも程遠いであろう
*5 成仏(魂化)→回収→地獄→還元→転生という流れ
*6 理論上は魂を持つあらゆる存在に感染してしまう
*7 地上で最も古株な鬼出身のレキシントンがNC期の魔人であり、地獄穴のできた時期と重なる。また、レキシントンの武具もJAPAN系の趣向
*8 実際は悪魔界と繋がっていた可能性もある
*9 新シリーズでも汚染率の概念が生まれる前後で多少の矛盾があり、どこまでが有効な設定なのかは不明瞭なところもある