勇者 -THE GUARDIAN HERO OF WORLD-
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解説
人類の危機に英雄的な活躍をすると伝えられる伝説の勇気ある者。
すぐれた冒険者といった意味合いの一般名詞としてもよく使われている。よくランスが依頼を受けた先で勇者と煽てられたり、初対面の女性に勇者を自称したりしている。
その正体は、魔王と同じく三超神プランナーに製作された、強く設定されなかった人類と無敵結界を有した魔王軍とのバランスをとる為に一つのハンディキャップとして作られた「勇者システム」に選ばれた者。つまりルドラサウムの為に三超神が用意した演目である「最強の存在である魔王に、他の生き物がどう立ち向かうか」を面白く見せる為の装置に過ぎない。
魔王を倒す力を持った存在ではあるものの、その力は人類死滅率に応じて与えられ、逆に言えば人類の犠牲が大きくならなければ、魔王を倒せるだけの力は発揮できないという、とんでもないデメリットを持つ。
勇者の従者であるコーラに勇者の剣であるエスクードソードの所有権を与えられた際にその者が勇者としての資格と恩恵を得る。しかし誰でも良いと言う訳ではなく、コーラが選別する基準がある様子。判明している部分では剣技能を持っていることと、ランスでは勇者には向いていない旨の発言がある。
人間の中でも同時に一人しか存在出来ないレアタイプだが、13才になると能力を発揮し20歳までの7年を過ぎると力を失う。これは肉体面におけるものなので、20歳を過ぎた後に若返り勇者の適齢になれば再び勇者の力を得られる。どんなピンチや逆境も最終的に自分の糧として成長する事ができ、最後には必ず勝てると信じられている。伝統として超強くて超格好良くて肝心な時に運が良く女の子に超モテモテとなる。
ランス世界における勇者とは、言ってしまえば「リミッター付きの"何でも"倒し屋」。平時はそれほど力を発揮する事は無いが、人類または全生命の死亡率に沿って、段階的にとんでもない力が発現していく造りになっている。最終的なリミッターは、三超神すらその対象とする『神を倒せる力』。その場合は魔人や魔王も含め、人類、全生命はほぼ死滅している。そこまで生き残って、なおかつ勝ったとしても、寂しい世界が待っているだけという皮肉な設計である。
歴史上、明確にリミッターが外れた事が判明しているのは魔王殺しのリミッター(全メインプレイヤーの50%が死亡)が外れた死滅戦争期の勇者クエタプノと、ランス10第二部において自ら人類を削減し魔人殺しのリミッター(全メインプレイヤーの30%が死亡)を外した勇者ゲイマルク。
ちなみに歴代にはエスクードソードではなく聖刀日光を使用した勇者が少なくとも2人いる。確認されている2人は人口の多いGL期、GI期の勇者でありリミッターが外れていないエスクードソードよりも常に魔人を切れる日光を選んだのだろう。実際各種モードが未開放の状態でも下記の勇者特性と聖刀日光の相性はよさそうである。
勇者の歴史
勇者が作られることとなったきっかけは、スラルが無敵結界を得たことから始まる。
魔王としての強さは最弱であったものの、優秀と評価されていたスラルが無敵結界を得たことにより魔軍と人類との戦力差が大きくなりすぎることを懸念したプランナーによりストッパーとして作られた。
初めて歴史の表舞台にあらわれたのは、魔王ナイチサが死滅戦争を起こした時である。死亡率が魔王を殺せるまでに達していたため、魔王の寿命を縮ませるほどの大ダメージを負わせることが出来た。
この法則を先代ナイチサから教えられた魔王ジルは人類を奴隷化・家畜化することで人口を維持し、勇者としての力が発揮されないように務めた。カオスによればジル期における人口はむしろ増加したという。
魔王ジルの後をついだ魔王ガイは、そもそも人類への不干渉を採ってよけいなことをしなかったため、死滅戦争のような滅亡の危機はおとずれなかった。
魔王ガイから魔王の力を継承させられた来水美樹ことリトルプリンセスの時代となったLP期になると、魔軍では内部抗争が勃発しつつも再び人類側への侵略が開始される事になり、新たに勇者に選ばれたアリオス・テオマンが、魔軍へ対抗出来る唯一の希望になるかと思われた。
しかし、魔王・魔人を打倒出来る力を持った魔剣カオスを扱える才能限界の無い冒険者ランスというイレギュラーな存在の出現によって、プランナーやルドラサウムにとっても想定外な事態となってしまい*1、ランスはリーザスの美少女連続誘拐事件、カスタム四魔女事件、リーザス解放戦といった本来ならば勇者であるアリオスがやるはずだった役目を悉く奪ってしまう事になり、しかもアリオス自身が目の前の悲劇を救う事に注力し闘神ユプシロン復活やゼス王国十二月革命といった大きな事件を見逃し、任期末期に至っては首尾よく遭遇した魔王美樹を自分から見逃した結果、勇者としての大きな成果をろくに挙げられないまま任期を終えてしまった。
その後、第二次魔人戦争となった直後、戻っていた故郷で幼馴染みや親友を始めとする全てを失ったアリオスは、聖女モンスターであるセラクロラスの力を借りて、肉体年齢を若返らせることで勇者として復帰。魔王を殺さなかったからこんな事態になったのかというコーラとのやりとりから戦いを引き起こした魔人・ケイブリスの打倒よりも、望まずして魔王になったリトルプリンセスの打倒こそが重要と考える様になる。エスクードソードの力を発揮させる為、基本は刹那モードまで人類を見殺しにし、時には意図的に人類を滅亡寸前にまで追い込む為の暗躍を図る。 正史においては結局甘さを捨てきれず消極的なことしか出来なかった為に勇者の特性を発揮しきれずにセラクロラスの効果が切れ再び任期を終える事になった。
展開によっては刹那モードを発動させ、ケイブリスやリトルプリンセスを殺害する事に成功するが神の思惑と勇者システムを知り絶望し物語は閉じる。
ケイブリスが討伐され、魔王がリトルプリンセスからランスへと移行したRA期に入ってからは、RA4年にて、新たにゲイマルクが勇者に任命され、更に神異変での影響で期限切れの処理が働かなくなったことで、今回の勇者の期限は無期限化となった。
RA4年時点では魔王ランスによる犠牲こそ皆無ではないものの、それでも戦争になってしまう程の大規模な被害は無かった*2上に、魔物の世界では複数の勢力に分かれての内部抗争という状態で、人類との戦争どころではなかった為、エスクードソードが発動するような状況ではなかった。
その結果、勇者ゲイマルクとその一派は、意図的に人類を削減していく事でエスクードソードの力を解放させるという「勇者災害」を引き起こして人類の30%を虐殺し人類圏の全ての国家を敵に回した上に、倒すべき敵であった魔王ランスが自分の女達である各国指導者を守るべく立ち上がる形でゲイマルクが誅殺されるという、勇者と魔王の立場が完全に逆転してしまう結果となってしまった。
勇者の特性
勇者は13才になると能力を発揮して、普通の人間と違う凄い力を持つ事になる。
- 才能限界は99になる。
- 一度受けた攻撃(や必殺技)はすぐに見切るようになる。
- どんなピンチでも絶対に助かる。不老不死ではなく死にそうになると魂が補充される。
- いつもは不運だが、肝心な所では無茶苦茶幸運になる。
- レベルアップは非常に遅いが、普通の人のようにレベルダウンする事はない。
- 普段は錆びて使えない勇者の剣[エスクードソード]を持っている。
- 異性にモテモテになる。
- 勇者を補佐する[従者]と呼ばれる者が同時期に必ず現れる。→コーラ(レン)、アリオス・テオマンの年表参照。
しかし20才になると2,3,4,6,7,8の能力や特典を失い*3、普通の人間に戻る運命にある。しかし勇者になる程の元々持っている高い素質は失われない。 ランス10の描写では、勇者の力が失われるとエスクードソードが徐々に重くなり、最終的に持ち上げることもできなくなるようである。一方でレベルが下がることが無い特徴は失われなかった。
※この辺りの設定製作は勇者に一家言あるむつみまさと氏の助言協力があった鬼畜王時代から行われたもの。
人類死滅率
この世界全体で生き物に割り振られる魂の総量は決まっていて、メインプレイヤーに使える魂の総量と実際に使われていない魂の量の割合から算出される。
勇者の力
勇者の力はメインプレイヤーの死滅率と密接に関係している。メインプレイヤーの数が減るに従い、その力を開放していく。死亡率の判定と現在の人口等について、織音氏が9月10日のスタッフ日記にて設定を提案している。(以下はその概略)
エスクードソードには半円の秤のようなもの目盛と針が付いている。それは人口や魂の総量によってリアルタイムで微妙に変動する。従者もほぼ同じメーターを持つ懐中時計のようなものを持っている。今現在それらのメーターは100%付近を、行ったりきたりしている。涅槃寂静は神々の黄昏をイメージしており、この状態では神々も既に死ぬか、どこかへと消え去って誰もいない状態である。 モードの移行タイミングでエスクードソードは光を放つ。刹那モード突入時は3回光る。
※ モード名は漢数字の単位(命数法)が元ネタ。人類3億なのに塵の時点で10億分の1、刹那で百京分の1と無茶な数なので、実際の数字とは関係なさそう。涅槃寂静は現在では命数法から外れているので注意。詳しくは特記事項に。
歴代勇者一覧
勇者名 | 備考 |
勇者クエタプノ | NC後期の勇者。 死滅戦争により世界人口が激減、史上初の刹那モードが発動する。 魔王ナイチサに寿命が縮むほどのダメージを与えるが逃亡されてしまう。 |
勇者アキラ | GL初期の勇者。 人間牧場により人口調整された結果、魔王ジルに挑むも嬲り者にされる。 8度殺された挙句に汚染人間まで堕とされてしまう。 |
無名の勇者 | GL後期の勇者。 聖刀日光を持ち、魔剣カオスを持つ魔人ガイに協力して魔王ジルに挑んだ。 |
無名の勇者 | GI中期の勇者。 聖刀日光を持ち、天志教と共に復活した魔人ザビエルに挑むが、戦闘中に勇者期限が切れて死亡する。なお、自身は敗北したがこの戦いで疲弊したザビエルも月餅の法により封印されることとなった。 |
無名の勇者 | GI後期の勇者。 マーゼルラインに寄生した魔人レッドアイを爆破作戦にて撃退する。 |
XXXX | GI後期の一般人、勇者ではない。 異世界人小川健太郎に聖刀日光を譲り渡すが、この時期には勇者アリオスが存在している。 |
勇者アリオス | LP初期の勇者。アリオス・テオマン。 地味な勇者業を続けるも、大きな事件の殆どは鬼畜戦士ランスに先んじられてしまう。 勇者任期を終えた後、聖女の子モンスター時のセラクロラスの力により再就任、暗躍を開始する。 |
勇者ゲイマルク | RA初期の勇者。 勇者災害を引き起こし逡巡モード以上を発動させるも魔王ランスに撃退される。 後に再決戦を挑むも風穴を開けられて敗北、翔竜山を彷徨うゾンビと化す。 |
勇者ミリオ | パラレルワールドである闘神都市2世界、または闘神都市3DS世界の勇者。 オリジナル版では勇者特性を笠に着て好き勝手に行動するちびっ子勇者。 リメイク版では尊大で慇懃な勇者。シードとの付き合いで勇者としての意義を取り戻す。 |
勇者デラス | パラレルワールドである闘神都市3DSの元勇者。オリジナル版では語られていない。 天使アプロスと恋仲になるも仲を引き裂こうとした神界の追手を次々に返り討ちにする。 この結果、地獄で輪廻封鎖刑を受ける身となる。闘神都市2版では本名デラス・ゲータ。 |
※従者コーラによる選定期間があるため、常に世界のどこかに存在するという訳ではない。特記事項参照。
勇者の業績
年代 | 内容 |
SS0300 | 無敵になってしまった魔王、魔人への対抗として勇者システムが作られる。 |
NC0901 | 勇者クエタプノが魔王ナイチサに寿命が縮む程の大ダメージを与える。(しかしナイチサには惜しくも逃げられる) |
GL0012 | 勇者アキラがジルに挑むも人口調整で対応されたため手も足も出ず。 勇者アキラは嬲り者にされながら8度も殺され、最後は汚染人間に・・・ |
GL1000 | ある勇者が聖刀日光を持ちガイと協力して魔王ジルに挑んだ。 |
GI0500 | 二度目の復活をした魔人ザビエルに天志教とともに日光を用いて戦いを挑むが、 戦闘中に勇者期限が切れてしまい死亡する。 |
GI0940 | ゼス王国のマーゼルライン爆破作戦にて、魔人レッドアイを撃退する。マーゼルラインは後のマジノラインに。 |
LP0001 | 勇者アリオスが腹痛で倒れている間にランスにリーザス誘拐事件の解決で先を越される。 |
LP0002 | リーザス解放軍に参加。ミリの部隊で戦う。 |
LP0003 | 地下帝国ブハード事件でランスと対決。勝負は引き分けに。 |
AL教団本部へ攻め込み、魔人サテラとハウゼル、健太郎を撃退し美樹の元に迫る。 しかし未覚醒であどけない姿の彼女をアリオスは殺せなかった。 | |
LP0003(IF) | クリスタルの森のカラーに捕まり、1年近くに渡って種馬にされていた。 |
LP0004 | 勇者アリオスの任期が満了する。 |
LP0007 | 第二次魔人戦争勃発、肉体の時を巻き戻し勇者アリオスが復活する。 |
LP0008 | 勇者アリオス、期限により再び勇者の資格を失う。 |
RA0004 | 勇者ゲイマルクにより勇者災害が発生、人口の30%が失われる |
RA0007 | 勇者ゲイマルクが再び魔王に挑む。神異変により死ねない化け物となっている。 |
RA0015 | エールの選択肢次第では勇者ゲイマルクが消滅する。(もう一方を選ぶと消滅せずそのまま) |
※血の記憶消滅後、従者コーラは神格を取り戻し神界へ戻ったため、以後勇者の存在は確認できていない。
特記事項
- 最近の資料では「世界に一人だけ現れる」「同時に一人しか存在出来ない」とあるので、前勇者が任期を終えた後も常に次の勇者が存在しているとは限らない
- 仮に常に勇者が存在している場合は勇者がアリオスの誕生年から次代の勇者の生まれる(た)年を求めることができる(GI1006、GI1013、LP0005、LP0012)。
- 無敵結界無効に関しては条件の有無など「どの段階でどの様に無効になるのか」現在の所詳細不明。死滅率30%で得られる力も「魔人を殺せる力を得る」とだけ表記されている
- 旧設定では刹那、阿摩羅モードは魂を持つ生き物が対象だったが改められた。
- その後、魔王の魔血魂が血の記憶へと変貌し、魔王から人間へと戻ったランスによって倒された為、今後のシステムがどうなるかは不明。
- ランス10の設定資料によると、新勇者バーバラの構想はあったようだけど、結局出番がなくなった。ちなみにバーバラのビジュアルはまんまペルシオンのミシェーラ。
- 涅槃寂静モードの涅槃寂静は仏教用語として存在するが、命数法の最小単位としての涅槃寂静の存在は2006年からwikipediaに記載されていたものの2022年にガセネタ*4判定されており、wikipediaの命数法のページにあった涅槃寂静に関する記述は現在では全て削除されている。近年ではwikiを使った情報操作からの誤解がゲームに取り入れられてしまう社会問題も生まれており、これもそのケースの一つである。
コメント
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*1 楽しむ事を望んでいるルドラサウムにしてみれば、むしろ喜ばしい事だったかもしれない。
*2 リセットの回想によると、国に攻め込んで可愛い女の子を連れ去ってはレイプして解放する程度で、盗賊団に近い被害しかなかった。
*3 トミノメモより
*4 単発編集者が一度載せたものがそのまま残り続けたものであり、伝聞のみで明確な出典が存在しない都市伝説的な存在とされる
*5 人類だけでなく丸い者やドラゴン、亜人等も含まれる
*6 モンスターの魂総量も3億