| タイトル | ： Re: ‘継承者，以外が魔王になるには？ |
| 投稿日 | ： 2000/06/07(Wed) 20:56 |
| 投稿者 | ： 麒麟 |
＞これはある条件を満たすと継承者たる資格を得られるからではと思います。
＞その条件とは「魔王を殺す」事ではないでしょうか。
うわ〜、ちょうど今から書こうと思ってたネタを書かれてしまった…何故？
僕も余所で話されていたネタから色々考えた結果、全く同じ結論に達しました。
で、まあ、それについてちょっと補完してみます。
＞これは本来殺せない存在である魔王とは矛盾してますが
矛盾しません。
魔王が無敵になったのはスラル以後であって、元々魔王は殺せる存在です。
スラルが無敵の力を欲したのもそのためなのですから、過去にはそうやって魔王の
座を奪われた者も、実際に存在するのではないかと思います。
とは言え、例え無敵でなかったとしても、現役の魔王を殺すなどというのは並大抵
ではありませんよね。
美樹ちゃんがランスやケイブリスの前に倒れたのは、未覚醒の状態のために、魔王
本来の力を発揮できなかったからです。 本来の力を目覚めさせていれば、まず
倒すのは不可能だったでしょう。
ですが、これは想像になりますが、多分「寿命」が尽きた魔王は魔王としての力を
失い、単に体内に魔王の血を宿しているだけの存在、言って見れば、ちょうど今の
美樹ちゃんと似たような状態になるになるのではないかと思います。
そもそも、「魔王には寿命がある」という設定と、「魔王は、継承者を見つけない
限り死ぬことが出来ない」と言う設定は、思いっきり矛盾してるんです。
で、これを矛盾しないように解釈するなら、「魔王の寿命」というのは、あくまで
「魔王としての寿命」であって、寿命を過ぎても死ぬわけではなく、単に魔王として
の力を失うだけなのではないかと思います。
継承が行われるまで自然死することはないが、超絶的な戦闘力も、無限と思える体力も、
魔人たちを無条件に従わせる能力も、そしてスラルの契約による無敵能力も、全て失い、
野心と実力のある者には容易にその地位と生命を奪われてしまう存在になり下がって
しまうのではないでしょうか。
スラルとの契約も、
「魔王は、『寿命が訪れるまで』いかなる手段を持っても殺すことは不可能」
というものですから、これに矛盾しません。
美樹ちゃんの「未覚醒の魔王」というのもイレギュラーですが、これに近い状態なの
だろうと思います。 ゆえに殺すことも可能だったと。
この解釈だと、「寿命」を迎えることは魔王にとって実質的に「死」と同義になります。
ケイブリスのような野心溢れる者はいつの時代にもいたでしょうから。
魔王がそのような簒奪による死を逃れて生き延びるためには、寿命が尽きる前に、
何とか「継承者」の素質を持つ者を見つけ出して血を譲ってしまうしかないわけです。
このことが寿命の尽きた魔王の交代を保証してきたのではないでしょうか。
「継承者」以外が魔王を継げないなら、魔王を辞めたくない者は「継承者」を探そうと
しなければ、死ぬこともなく永遠に魔王を続けられることになりますから。
＞継承者でないホーネットが魔王としての教育を受けていたのも、やはり魔王になる事が
＞できるからだと思います。
正にその通りだと思います。
でも、なぜガイはわざわざ自分を殺す者を育てていたのか？
ガイは、恐らく、彼の寿命が尽きるまでこの世界に「継承者」が現れないことを知って
いたのではないでしょうか。
彼の腹心バークスハムの使徒は絶対の予言者です。 多分ガイは彼女らの能力を使って
自分の継承者となるものを探そうとしたのではないでしょうか。 そして、その結果
知ったのは、継承者が現れないと言う残酷な事実。
この時点で、ガイはその寿命が尽きたとき、誰かに殺されて魔王の座を奪われることが
ほぼ確定したわけですが、赤の他人にむざむざ殺されてやるのも面白くありません。
ということで、次善の策として、最愛の娘であるホーネットの手に掛かって死ぬことを
望んだのではないでしょうか。
そして、ホーネットを次期魔王に相応しい完璧な魔人に育て上げて、迎えた運命の年
ＧＩ１０１５年、ガイの寿命が将に尽きんとする所へ、ある情報が飛び込みます。
「この世界に継承者はいないが、異世界にならいる」 つまり、美樹。
次期魔王を約束されていたホーネットも、愛する父を殺さずに済むなら願ったり
ですから、反対するわけもありません。
そして、早速、異世界から美樹が連れて来られて、慌ただしく継承の儀式が執り
行われた結果、ガイは健太郎に殺され、美樹は逃亡。 全ての歯車が狂い、世界は
混乱の時代へ突入して行くことになります。
これが魔王美樹誕生までの経緯ではないかと考えたのですが、どうでしょう。