ウルトラショートストーリー「美樹ちゃんの憂鬱」(作:DNWさん)

「はあ・・・。」
彼女は、部屋へ帰ると、ため息をついた。
「今日も、だめだなんて・・・」
彼女がつきあっている男子、健太郎は、部活動があるため、今日はつきあえないと、
彼女、美樹にいったのだ。
「おとといも昨日もだめだったから、今日こそは、って思ったのに・・・」
「せっかくケーキがおいしいお店見つけたんだけどなぁ・・・」
美樹は、そうつぶやきながら、ベッドに横になった。
そして美樹は、枕元から細長いものを取り出すと、それを握りしめた。
「はあ・・・」
シャッシャッ、と、物がこすれるような音が立ち始めた。
「う・・・ん、あ、・・・はぁ・・・」
独りぼっちの部屋。
一人だけの時間。
部屋には、美樹の息づかいと、物がこすれる音だけが響く。
しかし、10分も経つと、その音も消えた。
「はあ・・・また、やっちゃった・・・。」
美樹の心に、軽い罪悪感と、物足りなさが満ちる。
「健太郎君がいてくれたら、こんな事しなくてもいいのに・・・」
そして、美樹は、自分のした行為の結果を見る。
「あーん、何でいつも健太郎君のお顔がうまくかけないの!?」
そう、美樹ちゃんは、健太郎君のことを思い、似顔絵を描いていたのでした。
ちゃんちゃん。

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